いきなりですが、すき焼きに入れるお肉は、牛ですか? 豚ですか? それとも鶏ですか?
ほとんどの方は「すき焼きには牛肉に決まってる!」とおっしゃると思うのですが、福岡では鶏肉の郷土料理で鶏すきがあるんです!
といっても、福岡県内全部じゃなくて、古賀市から宗像(むなかた)市周辺の一部地域でのこと。
古賀市から宗像周辺では、親戚一同が集まったときやお祭りの直会、田植えや稲刈りの時期などに鶏すきがよく食べられています。
古賀市から宗像市周辺などの地域を治めていた黒田藩では、江戸や大阪への献上品・特産品「筑前卵」としての鶏卵の生産が奨励されていました。そのため、この地域では農家や下級武士などの間で養鶏が盛んに行われるようになり、卵を産み終えた親鳥を食べる習慣が広まったそうです。
福岡の郷土料理は、がめ煮や水炊きが有名ですが、古賀市や宗像では、古くから鶏すきが食べられていそうですよ!
古賀市には、はかた一番どりの加工工場もあるので、ここでは古賀流の鶏すきについてご紹介します!
古賀流の鶏すきの特徴は、大きく3つ。
1. 鶏肉と皮、肝、玉ひもなど1羽無駄なく使う事。
上の写真のオレンジ色でピンポン玉みたいなが鶏の玉ひもです。玉ひもはすごく鶏1羽に2個しかないので、小さいころは家族で玉ひも争奪戦でした(笑)
2. 白菜や春菊、さつまいも、ごぼうなど地元でとれる旬の野菜をふんだんに使い、季節を選ばず年中食べられること。
3. 砂糖と醤油だけの濃厚な味付けにすること。
水は一滴もいれず、野菜の水分と鶏肉からのダシだけでおいしく作ります。
砂糖をかなり入れるので、初めて食べる人はびっくりするかもしれませんが、この砂糖と醤油の濃厚な甘辛味は一度食べるとやみつきになること間違いなし!
鶏すきの〆は、そうめんを入れて煮汁を吸わせていただきます。
鶏すきに限らず、福岡では水炊きにもそうめんを入れる地域もあります。
そうめんと鍋の組み合わせは意外!と思われるかもしれませんが、かなりイケるので是非やってみてください。
特に子どもたちに大人気な組み合わせです。
古賀市では「九州鶏すき学会」という秘密結社(笑)みたいなグループがあり、鶏すきを世に広めるためにいろんな活動に取り組んでいます。実は何を隠そう、僕・宮川も鶏すき学会のメンバーなんです。
たくさんの人に、古賀で生まれた鶏すき文化を楽しんでいただきたい!
いつか、あなたの街にも鶏すきメンバーがやってくるかもしれませんよ♪
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